モジュールプラスチックベルトとThermoDriveベルトの比較
食品コンベアのベルトタイプを選ぶときに気をつけるべき3つのこと
- 洞察
- October 7, 2020
1971年にイントラロックスがモジュールプラスチックベルトを発明して以来、食品加工業界ではいろいろなことがありました。50年前は誰も想像できなかった製品や食品セグメント、用途、食品安全規則、操業ニーズが今日存在します。
今も昔も変わらず、市場は技術革新を駆り立て、それを要求します。取り扱う品目数が増加し続ける食品加工業界で好まれて使用されているコンベアベルトは、モジュールプラスチックとThermoDriveの2種類です。
モジュールプラスチックベルト(MPB)もThermoDriveベルトも、さまざまな食品加工用途で成果が実証されています。どちらも、これまでと同様、引き続き改良され、数多くの用途に対応していきます。両タイプとも優れ た選択肢となります。
では、どちらのタイプのコンベアベルトにするか、どのように決めればよいのでしょうか?
当社の専門家数人に尋ねたところ、お客様が自社コンベアにMPBとThermoDriveのどちらのベルトを採用するか決める際に気をつけるべき3つのことを明かしてくれました。
どちらの技術がよいかわからない場合、どこから始めるか
何はさておき、用途が大事
当社の顧客担当マネージャーや担当スタッフが、まず最初にお伺いする質問は、例外なくこんな感じになります。具体的な食品用途について詳しく教えていただけますか?
ベルトをどこに使う予定ですか? 温度や暴露湿度などラインの稼働環境条件は? 食品はベルトに直接接触しますか? これらは、MPBとThermoDriveのどちらかを推奨するために考慮しなければならない事項の一部にすぎません。イントラロックスは、お客様を当社の業界専門家と結びつけ、どちらのベルトタイプが最適かを特定するお手伝いをしています。
イントラロックスチームのひとことアドバイス:食品と用途の幅は非常に広いので、適切なモジュールプラスチックまたはThermoDriveのベルトを選択するには、イントラロックスの専門家がお手伝いするのが一番です。どうぞご相談ください。
新しい装置
ラ インの拡張やコンベアの新設をお考えですか?企画プロセスの早いうちにベルト専門家にご相談ください。「新プロジェクトの始動時から参加させていただけると、お客様が適切な製品を採用しているか確認できるので、お手伝いがうまくいく確立が高くなります。」と、イントラロックスの顧客担当スタッフ、Margaret Legendreは言います。
コンベアの新設は、チームで取り組むのが理想的である場合が往々にしてあります。「適したソリューションを見つけるため、イントラロックスはお客様とそのOEMと積極的に連携します。」と、イントラロックスの顧客担当マネージャー、Juan Tancaは説明します。当社独特のトライアンギュレーションプログラムでは、プロジェクトライフサイクルの早い時期から3社がそろってパートナーシップを組みます。協力的な活動は、コミュニケーションを促し、効率化を図って混乱を防ぎ、後に好結果をもたらします。
標準化すべき場合とそうでない場合
ラインでうまく機能してきた馴染みあるMPBまたはThermoDriveタイプのベルトがあれば、それを工場内で標準としたくなるかもしれません。また、ニーズや用途によっては、このスタイルのMPB、あのスタイルのThermoDriveとこだわることが、いたって正しい判断かもしれません。工場内のベルトの種類が少なければ、衛生管理やメンテナンスなど、合理化できる作業もあるでしょう。
しかし、標準化が必ずしも良策とは限りません。それどころか、図らずも失敗したり、大きな損失となったりすることがあるのです。
ブラジルで食肉・鶏肉・水産業界を担当する顧客担当マネージャーのCamila Limaは、統一を図りたいばかりに不適切なタイプのベルトを注文してしまったユーザーを見てきました。「よくある間違いです。」彼女は続けます。「ThermoDriveベルトを気に入っているお客様は、それをパック入り製品や包装品にも利用してみようと考えます。ところが、ThermoDriveは食品がベルトに直接接触する用途向けに開発された衛生ソリューションなのです。」 このようなケースでは、MPBを選ぶほうが賢明かもしれません。
標準化を追求するお客様が、必要ないものを求めてしまうケースもあります。「曲線ベルトは直線走行も可能ですが、直進ベルトよりも高価です。」と、Legendreは語ります。「統一を目的として直線用途にも曲線ベルトを注文しようとするお客様がいらっしゃったら、そんなときは、より低価格で役目も果たす直線ベルトを代わりにご案内するようにしています。」
どちらのタイプのベルトも使えるときは、どう選ぶか
モジュールプラスチックとThermoDriveの両ベルトともニーズに問題なく対応できるとしたら 、より優れているほうを選ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
どのタイプのベルトもそれぞれ一定の食品や用途に関して言えば、最高の選択肢になります。一般的には、MPBは牛肉および豚肉の耐衝撃用途にとって手堅い選択肢であり、一方、ThermoDriveは、タンパク質加工のさらなる処理用途にたいへん適しています。パン・焼き菓子類については、当社専門家は通常、生地搬送以外の全用途にモジュールプラスチックの使用を提案しています。生地にはThermoDrive技術のほうが適していることが多いようです。
イントラロックスチームのひとことアドバイス:食品と用途の幅は非常に広いので、適切なモジュールプラスチックまたはThermoDriveのベルトを選択するには、イントラロックスの専門家がお手伝いするのが一番です。どうぞご相談ください。
どちらの技術も使えるけれども、一方がもう一方より格段に優る用途例のひとつに、スナック加工、青果加工の計量前傾斜コンベアアプリケーションがあります。モジュールプラスチックベルトもThermoDriveベルトも計量前傾斜コンベアに適した高信頼ソリューションです。しかし、ThermoDriveベルトは衛生作業を簡素化し、コンベア上で定置洗浄が可能なので、お客様は、モジュールプラスチックベルトよりも最高50%洗浄時間を短縮できます。
要点はつかめましたか? モジュールプラスチックかThermoDriveかどちらかのベルトを選ばなければならないときは、ベルトソリューション専門家のサポートを頼りにしましょう。お客様の目標達成のため、その食品加工用途に適したタイプのベルトを推奨できる業界特化の専門知識を備えたパートナーを持つことが理想的です。
ベルトに関するお客様の疑問にお答えするイントラロックスのさまざまなサポートについて詳しくは、カスタマーサポートページをご覧ください。