避けられない事態に対する包装ラインの準備
市場変動に先手で対応していくには
- 洞察
- February 11, 2021
食品加工業者が消費者向けに製品を製造する際、気を配らなければならないことは山ほどあります。加工業者と装置メーカーは、安全な製品を市場に提供するという重大な責任を負っているだけでなく、市場がもたらす様々な困難にも立ち向かわなければなりません。
今日加工業者が直面し、包装ラインの操業に影響を及ぼすそのような困難に、消費者嗜好の変化とマクロ経済の変動という2つの問題があります。
このような問題にどのように対処したらよいのでしょうか?私たちは、それらのうち最もよく見られる市場変化 、それがラインに及ぼす影響、どう備えるのがよいかを特定しました。
消費者嗜好
包装選択肢の小型化
スリム缶4パック、小型キャンディーカートン、フルーツ6個パック。これらは、消費者が主導する形で最終工程ラインに登場した人気のパッケージタイプのほんの一部です。ところが、小型パッケージは搬送に甚大な問題をもたらすことがあります。
「パッケージサイズが小さくなると処理量の増加が求められるようになり、すると、リスク回避がより大切になります。」と、イントラロックスのレイアウトディベロプメントマネージャー、Geoff Bennettは言います。「処理量の増加は、能力の余裕が減少し、メンテナンスや生産回復の選択肢が少なくなることを意味するので、信頼性と柔軟性がより重要性を帯びてくるのです。」
パッケージサイズが小さくなると処理量の増加が求められるようになり、すると、リスク回避がより大切になりま す。
イントラロックスのレイアウトディベロプメントマネージャー、Geoff Bennett
柔軟性の必要性は、何をラインのどこで生産するかによって異なります。たとえば、カートン搬送において、カートンがより新しい小型サイズになり、処理速度が2倍になったとしましょう。現在のケースパッカーがカートンサイズ変更前の速度までにしか対応できなければ、ケースパッキングの能力増強が必要かもしれません。
「方法はいくつかありますが、」イントラロックスのレイアウトディベロプメントマネージャー、Frank Solitarioは説明します。「今日の技術を活用すれば、カートンのフローを2つに分け2台のケースパッカーに送って、パッキング後にケースを合流させることができます。または、カートンのフローを分けケースパッカー2台を使って、カートン数の異なる2種類のケースを同時にパッキングすることも可能です。」と、彼は続けます。「何を生産するのか、現在と将来のニーズはどんなものなのか、その詳細によって方法は実にさまざまです。」
消費者向け準備済み食品の包装
消費者向け準備済み食品の包装需要が高まるにつれ、一部の食品加工業ではバルク包装を扱う割合が減少しています。「食肉・鶏肉・水産業界では、この10年あまりでその動向が非常に顕著です。」とBennettは指摘します。しかし、調理済みミールやトレイパックなどスーパーマーケットの棚にそのまま並ぶような製品は、さまざまな問題をもたらします。
慎重に並べられた製品を乱すことなく搬送できる自動化装置は存在します。
こういった形態の一次包装には慎重と正確さが求められます。製品は美しく並べ、外観を乱したり損なったりしないよう優しく扱わなければなりません。さて、どこが問題なのでしょうか?食肉工場は繊細な場所ではないことです。
「AIMが発売されるまで、」Bennetは言います。「トレイパックの装置間移送を自動化できるソリューションは実際ありませんでした。」 従来型の選択肢は、補助の人手を多く必要とする方法、または、本来過酷な用途向けであるため歩留まりロスを伴う方法のどちらかです。しかし、AIM(Active Integrated Motion)なら、そのようなレイアウトで多くの要件を満たします。この技術は搬送品に優しく、洗浄ができ、高信頼で、比較的高速運転が可能であるという理由から、2015年の発売以来、新しいトレイパックラインや拡張や工場に導入されてきたのをBennettは目にしています。
マクロ経済の変動
労働力の不足
これは、海を越えてあらゆる分野で食品加工業者が実感している問題です。それが農場でのフルーツ収穫および梱包であっても、寒く湿った食肉工場での作業であっても、肉体労働の働き手はなかなか見つかりません。そのような労働力の獲得と維持は世界的な課題となっています。
イントラロックスチームのひとことアドバイス:自動化の選択肢評価は、将来的なニーズを考慮しながら行いましょう。あらゆるタイプのパッケージと速度に対応できるだけでなく、タスクを実行し判断を行って人手依存の低減にも役立つソリューションを得るには、レイアウトの専門家に案内してもらうのがよいでしょう。
この問題への対処方法の1つは、マテハンシステムでの非付加価値作業への依存を低減することです。搬送自動化は労働力低減の一般的な手段です。しかし、単純な搬送システムでは、パッケージを触ったり操作したりする手作業がまだ多く見られます。
自動化では、たとえば、箱を回転するといったシンプルなタスクや、一定の製品を識別し指定の装置へ送るというような判断を実行させることができます。自分たちの工場の状況では労働力とオートメーションのバランスをどうとるのが理想的なのかを知るには、適切なパートナーの力を借りるのがよいでしょう。
新型コロナウイルス
今回のパンデミックは食品業界の重要性を世界に見せつけました。しかし、2020年、新型コロナウイルスは食品工場内でも猛威をふるい、工場は休業を余儀なくされました。従業員たちが肩を触れ合わせるようにして働く冷蔵環境ではそれが顕著でした。
プロジェクトの資金はウイルス被害軽減対策と従業員安全強化の費用に回されました。従業員の感染があると人件費が増大しました。労働力をつなぎとめるための危険手当や特別手当が急増しました。
「ライン評価を行うのに今ほどよいタイミングはありません。」Solitarioは説明します。「労働力過剰リスクを今軽減することには、従来どおりのメリットがあり、節約の可能性が秘められています。自動化も、次のパンデミックなどのマクロ経済変動事象が将来発生したときに、より安定した生産をもたらします。」
市場の変動には予測がそれほど難しくないものもあります。たとえば、消費者嗜好の変化はもっとゆっくりやってくる傾向にあります。マクロ経済事象である新型コロナウイルス流行は急に発生し、食品加工業者は前例のない困難にすばやく対応する必要がありました。
しかし、よいお知らせがあります。それらの市場変動を予期していたとしても、していなかったとしても、その対処に必要な実績ある自動化アプリケーションはすでに存在するのです。
イントラロックスの自動化ソリューションについて詳しくは、パレタイザー用パッカーページをご覧ください。