新たな視点で事業を明確化
お客様の工場の「普通」は、最善とは限りません
- 洞察
- November 15, 2023
どのような場所でも、長い時間が経つと、何が理想で、何が普通なのか、または容認できるのかは変化していきます。間違っていて直すべきだと感じることもあるかもしれません。しかし数ヵ月、数年が経過すると、「こういうものだ」と信じるようになります。
お客様の工場でも同じことが起きています。
「食品製造業界でもこれは非常によくあることで、毎日目にしていると、それに耐性ができてしまうのです」と、Commercial Food Sanitation(CFS: イントラロックスの傘下企業)の食品安全の専門家であるEdwin Román Riveraは語っています。「今までずっとそうだったのに、なぜ変える必要があるのでしょうか?」
当社もお客様から、問題を認識しているにも関わらず、高額になりそうだから、時間がかかるから、あるいはその両方の理由で、解決策を探していないというお話を耳にします。しかし、朗報があります。
当社の専門家は、長い時間をかけて世界中の食品加工工場を視察し、多くのものを目にしてきました。彼らが発見したのは、大抵の場合、最も簡単な調整が大きな惨事を防ぐということです。
第三者の「新たな視点」は、客観的な視点をもたらし、自分や自分のチームに欠けている経験から引き出すことができます。
ここで、お客様の工場を新たな視点で見直すための、4つのポイントをお教えします。
見方を変える
文字通り、かがみ込んでコンベアの下を点検してみてください。ベルトを持ち上げて、普段は目にしない場所ものぞいてみましょう。目の前にあるものに注意を向けるのは簡単です。しかし、目の届きにくい場所こそバクテリアが繁殖しやすいのです。洗浄をレベルアップさせるには、改善の余地がある領域を明らかにして、徹底した点検を定期的に行いましょう。
意識する範囲を広げることも重要です。CFSの食品安全の専門家であるSabrina Ferrettiは、工場を訪問した際によく目にする厄介な課題、つまり工場の床に落ちた廃棄製品の常態化について、次のように語っています。
「これは、歩留まりの低下、洗浄要件の増加、そして収益減に直結します」。コンベアを変える、サイドガードを増やす、ホッパーを調整するなどの解決策は、企業にとって大きな利益につながる可能性があります。「反対に、製品が機械の中に収まって、最終的な包装段階へと搬送されれば、大きな利益を産み、消費者に低価格で提供することができます。」
自家製の機器を使わない
「とても驚きました」と、Román Riveraは振り返ります。 お客様の衛生プログラムを評価するために工場を訪れた際、Riveraは、メンテナンススタ ッフが中空(中が空洞)のPVC管で作ったローラーを発見しました。「稼動前に一緒に点検をするまで、責任者もまったく気が付いていなかったのです。」
自分たちで行った修正により、ベルトは支えられていましたが、正しい素材(超高分子量ポリエチレン)で作られたより良いソリューション(中実のローラー)は、簡単に手に入るものです。中空PVC管は時間が経つと湿気が溜まったり、搬送品アキュムレーションが発生して、お客様の製造ラインを汚染する可能性がありました。
食品製造業界では非常によくあることで、毎日目にしていると、それに耐性ができてしまうので す。
Edwin Román Rivera
Commercial Food Sanitaion(CFS: イントラロックスの傘下企業)、食品安全専門家
他には何があるでしょうか?工場の従業員はとても器用で、プラスチック製のゴミ箱がベルトの支えになっていたり、正しい角度にできない自作のスプレー装置や、ホースクランプがスプロケットの横に付いたシャフトなど、数多くの創意工夫を目にしました。短期的な修正は、通常、将来的にリスクを招きます。搬送パートナーに連絡すれば、費用効率がよく、設置が簡単で、手に入りやすいソリューションがあったはずです。
本質を理解する
あらゆる食品製造業者が避けたいと思うことの1つは、異物による汚染です。難しいのは、これは様々な状況で起こりうるという点です。コンベアの破片、包装素材など、大抵の場合、異物混入はより大きな 問題の兆候を示しています。
メンテナンスを怠ったり、衛生管理が不十分であったり、衛生的な設計ができていないと、異物混入が発生します。そういう時にこそ、新たな視点が問題の解明に役立ちます。
「当社は問題の根本的な原因にたどり着けるよう、場当たり的な対処ではなく、本質を理解することを心がけています」と、Intralox Australia and New Zealandの食品業界チームリーダーであるAnthony Sekulovは語っています。「解明するだけでなく、なぜ異物混入が発生したのか、お客様の理解を促すことによって、再発を防ぎたいのです。」
「私たちが良く言う口癖があります」と、Sekulovは言っています。「『私たちが売るのは知識で、プラスチックは添えものに過ぎない。』これが究極的にはお客様の安全な食品の製造に役立つのです。」
食品加工業者は、常に注意を怠らないようにすることで、損傷したベルトからの異物混入リスクにより想定外の稼動停止時間につながる、最悪の循環を防ぐことができます。
パートナーに頼る
イントラロックスの製パン&スナック部門でコーポレートアカウントマネージャーを務めるMike Lavalleは、ベルトとは関係のない一風変わった問題で相談を受けた、長いお付き合いのあるお客様のことを次のように振り返っています。
「工場は常に高稼動状態で、休みなくパンの製造が行われていました。長い稼動時間により、メンテナンスや衛生管理の時間が削られていたのです。お客様は一部の搬送品の未熟なカビに関する苦情を皮切りに、助けをもとめてこられたのです。」
「CFSに依頼し、数日間をかけて工場を視察すると、根本的な原因は、ラインのいくつかのポイントで発生していた余分な蒸気であったことが判明しました」と、Lavelleは振り返ります。「CFSは問題を解決する複数の提案を提示することができました。」
イントラロックスチームからのアドバイス: 高額な機器を導入する前に、衛生的な設計に精通した専門家に相談して、適切な洗浄を簡単に行えるかどうかを確認することをお勧めします。
一般的なベルトサプライヤーであれば、あまり起こらない問題の解決に救いの手を差し伸べることはしないでしょう。信頼関係を築けるパートナーを見つけてください。そうすることで、未知の問題が生じたときに専門的な意見を仰ぐことができます。
私たちの誰もがルーティンに陥ります。カギは自分の工場や関わるチーム、そして信頼のおけるパートナーに注意深く目を配り続けることです。そうすることで、積極的に行動し、「普通」に対する誤った認識によって生じる危機を防ぐことができます。ラインではさまざまなことが起こります。
業界に精通した当社の専門家が、業務を新しい視点で見直します。イントラロックス・カスタマーサービスまでお問い合わせください。