衛生設計には費用がかかるという誤解
適切な機器を導入して時間、費用、労力を節約する4つの方法
- 洞察
- October 31, 2022
皆さん、用意はいいですか?
2022年第1四半期に、米国食品医薬品局(FDA)は食品セクターで、2018~2021年の合計を上回るリコールを実施しました。
この3か月間にリコールされた食品数(130万件以上)は、過去4年間を上回っています。
この数年間に食品のリコール数がますます驚異的な勢いで、着実に増えているため、この業界では衛生設計を見直す企業が増加しています。
多くの食品メーカーは、衛生設計を採用した機器が従来の機器よりも高額だという誤解の下、経営してきました。
しかし実際のところ、工場の更新や 新たな投資プロジェクトを検討している場合には、衛生設計を採用した機器を導入する経済的メリットをすぐに納得できるでしょう。
前の記事で説明したように、機器の総所有コスト(TCO)を計算する際には、初期の購入費用以外の要因も検討することが重要です。例えば、長期的にどれくらいのコストがかかるかなどです。
衛生設計を採用した機器を選択すると、食品メーカーは、時間、費用、労力を大幅に節約することができます。では、その方法を見ていきましょう。
洗浄時間を短縮、稼働時間を延長
現在の機器を洗浄するため、スタッフが何名必要ですか?洗浄にはどれくらい時間がかかりますか?
1時間節約できるとしたらどうですか?1時間半ではどうでしょう?適切な衛生設計のコンベアを使うと、洗浄から再稼働までの時間を節約できます。
Commercial Food Sanitation (CFS: イントラロックス傘下企業)の食品安全上級スペシャリストのBrad Klemmeは次のように指摘します。「機器を稼働すると、収益が生まれます。製品を作っているからです。洗浄プロセスでは、収益は生まれません。どの食品カテゴリーかにかかわらず、サイクル時間を圧縮するほど、会社の財務上のメリットが大きくなります」
衛生設計のためにさらに費用をかける必要はありません。この点を誤解している人が少なくありません。総所有コストを計算に入れて、機器の耐用期間中に必要となるコストの全体像を把握しておく必要がありま す。
Brad Klemme
Commercial Food Sanitationの食品安全上級スペシャリスト
トレーニングの必要性を低減
トレーニングコストは、TCO計算で見過ごされがちです。機器の操作や洗浄が複雑になるほど、トレーニングの必要性が増します。特に、人員配置の面で課題が発生し、多くの工場では高い離職率に直面しています。
「長期のトレーニングを要する機器を所有している場合には、人員配置の面で食品業界が現在直面する問題が発生します」と、Klemmeは指摘します。
衛生設計を採用した機器は通常、洗浄時の分解も、操作とメンテナンスに強固な技術的知識も必要ありません。そのため、新しいチームメンバーのトレーニングも短期間で効率よくできます。
チームのヒント: 機器の衛生上の設計原理を熟知、優先、実行するメーカーと連携します。
洗浄が容易
衛生設計のコンベア機器は、(文字通り)シンプルを念頭に設計されています。高いレベルの機能はそれほど必要ないため、部品数だけでなく人員も削減できます。
衛生設計を採用した機器では、隙間も排除されており、搬送品の蓄積や微生物の繁殖を防ぎます。
シンプルな設計のコンベア機器は、従来よりも短時間で洗浄できます。洗浄担当者はあらゆる箇所に容易に手が届きます。分解はほとんど、またはまったく必要ありません(分解が必要な場合でも、工具は不要です)。
複雑で閉鎖型の機器では、効果的に洗浄するには時間がかかるため、必要とされる水、薬品、人員により、さらに費用がかかります。
定期的な機器洗浄(PEC)
機器が複雑なほど可動部品が多いため、全箇所に衛生原則を適用し、PECのために分解しなくてすむようにするのは困難です。
「メンテナンスグループと洗浄グループが定期的に連携して、効果的に洗浄するために機器を分解しなければならないとしたら、かなりの費用がかかります」と、Klemmeは指摘します。
工場では適切にPECプログラムを導入されていますか?もし導入していない場合は、まだ気づいていない食品安全リスクが存在し、製品の二次汚染につながる可能性があります。確認しないまま放置すると、隠れたコストが「製品リコール」という最悪の事態に発展する恐れがあります。
Klemmeは次のように説明します。「サメが出没する水域で、そうとは知らず泳ぐようなものです。PECプログラムが導入されていなければ、何を把握していないのかを認識できません。これは恐ろしい事態です」
衛生設計を採用した機器を食品製造に選択する長期的かつコスト節約面のメリットすべてを考慮すると、これ以外の選択肢はあり得るのかという疑問が生じます。
機器の買い替えや既存システムの改変時期であれば、Klemmeが言うように、衛生設計の選択肢がそれぞれの面でメリットのある「ウィンウィンのソリューション」となります。
食品安全性と洗浄性の面でのメリットは明らかな一方、財務面でもメリットがあります。衛生設計を採用した機器は、より低コストで長期間稼働します。長期的には、総所有コストに大きく影響します。
工場の責任者に新規プロジェクトの説得を検討している場合には、食品安全性を改善し、リスクを低減し、稼働時間を伸ばし、長期的に低コストで稼働する機器ソリューションに彼らは注目するはずです。
工場での最悪の事態を防ぐには、適切な機器を選択することから始まります。衛生設計による改善を最優先すると、財務面で妥協することなく、食品安全目標を達成できます。会社の経営陣に対して、TCOの全体像と、安全性とコスト削減の両方を長期的に達成する方法を示しましょう。
衛生設計を採用した機器の経済面および食品安全面のメリットについて詳しくは、イントラロックスとCFSの専門家にお問い合わせください。